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熊手除草

これは、私のように自給用に小さい田んぼで稲作されている場合に有効な手段です。
田植えした苗が活着したら、なるべく早く田んぼに入って生えてきた野草を除草する必要がありますが、その道具として田車があります。田車については、こちらをご覧下さい。
田車があれば便利なのですが、1台7,000円くらいでしょうか。経費的な面で、まだ購入していません。そこで去年、試してみたのが熊手です。田車もようは、田んぼの表土をツメでひっかいて、まだ大きく育っていない野草を引っこ抜いて水に浮かせます。なので、表土をひっかけばいいのです。



熊手で表土を引っかいてみました。写真がないのですが、熊手の先っぽ=引っかく部分に草が絡んですごくよく取れます。さらに、田車は抜くだけで浮いてきた野草を集めて、田んぼの外に出す作業を要しますが、熊手なら引っかいて持ち上げた野草を簡単に集めることができます。しかも、田車は苗と苗の間に生えている野草を除草できますが、苗の周りにある野草を取ることはできません。熊手なら場所に関係なく、全部取ることができます。去年は、田植え前にも熊手除草しました。
ただし、ここで問題なのが稲苗の活着の良さです。稲苗に勢いがないと、稲苗まで一緒に引っかいてしまうかもしれません。そのためにはやはり、4.5葉以上の、好ましくは6葉の成苗を植えることが肝要です。手植えしたので活着が早く、6葉ですから大きく展開した稲の葉が日光を遮り、野草の生育を妨げます。
田の草抑えには、草に対する直接的な手段だけでなく、こういった間接的な手段と複合的に施すことが成功への道ですね。

この除草方法は小さい田んぼに有効ですが、広い田んぼでは無理です。その場合は、チェーン除草が有効でしょう。

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米ぬか抑草

田んぼの抑草対策には、生物的・化学的・物理的な方法が各種ありますが、今回は化学的な方法として広く実践されている米ぬか抑草についてです。これは田植え直後に米ぬかを散布して、微生物の増殖による還元作用(酸素不足)、米ぬかが分解することで発生する有機酸によって抑草する方法です。
米ぬかは微生物の大好物ですので、米ぬかを散布すると微生物が大量に増殖し、微生物が水中の酸素を消費することで水中の酸素が不足してしまいます。野草のなかでヒエなど酸素が不足すると発芽しない(と書いていいのか・・・)ので、抑えることができます。コナギなど還元状態でも発芽する野草には効果がないと言われています。
米ぬかを散布すると水中で分解する過程で、酪酸や酢酸などの有機酸が発生し、その有機酸が発芽した野草の新芽に生育障害を与えます。その他にも毎年散布すれば、様々な生きものが米ぬかを栄養源に増殖して土が徐々にトロトロになり、野草の種が土に埋もれていく効果もあるでしょう。一般的に1反あたり100〜150kgを散布すれば効果がでると言われていますが、米ぬかの確保が課題になります。収穫した籾を摺って米ぬかを手に入れられるのは1反あたり50〜60kgだそうで、散布に必要な量が足りません。田んぼで取れた米ぬかで賄えるなら、循環型の抑草資材として有望なのですが、足りない量を調達する必要があります。一時は、米ぬか抑草が流行ったために、米ぬかが調達できない事態になったこともあるそうです。ただ、米ぬかの散布量は土の状態によって異なり、有機質に富んだ肥沃な土なら50kgあれば十分とも言われていて、土ができあがれば循環できることになります。
米ぬかには油分が多く含まれていますので、田んぼに均一に散布するのが難しいと聞いたことがあります。散布しても水に浮くので、水中に沈む前に風によって流されて偏ってしまうこともあります。田んぼの水を一旦落として、水口から水を入れるときに米ぬかを流し込むことで前面に散布できるとも聞きます。実践したことがないので、うまくいくのかは定かではありません。確実に均一に散布するために、米ぬかをペレット状に加工する方法もあります。
有機質資材で抑草できる方法ですが、長期間の持続はないようでせいぜい2週間くらいと実践されている方から聞いています。また、米ぬか散布と他の抑草対策を組み合わせることが望ましいようです。

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田車除草

田んぼの野草を抑えるには、生物・化学・物理的な方法がありますが、今回は物理的な方法としてオーソドックスな田車除草を書きます。田車、私はカタカタと言ってますが、ツメがついた歯車を田んぼのなかを歩きながら押して回すと、そのツメに野草がひっかかって抜けるという昔からある道具です。友人のブログに写真が乗っています。歯車の部分は写ってませんが、こんなふうにイネ株の間を押して歩きます。最近のはアルミ製ですが、昔は当然木製で多分ツメは鉄製でしょうからかなり重く、ぬかるんだ田んぼを歩くのは重労働だったと思います。
この方法のポイントはいくつかあって、その一つがタイミング。野草が小さいうちは簡単に抜けるのですが、ある程度大きく育って根が蔓延ると簡単には抜けず、田車を押しても除草できない状況になります。つまり、この方法で除草するには、田植えをしてから1週間から10日以内くらいに実行する必要があります。田車で除草できるのは株間ですので、イネ株の周りは除草できませんから、この場所は手で除草することになります。
田植えをしてなるべく早く田車で除草したい!と思っても、肝心の植えたイネ苗の根が根付いていなければ田んぼを歩くことができません。なので、田植えしたイネがいかに早く根付くかが重要で、それには丈夫な元気な苗に育てる必要があります。苗半作とよくいわれますが、苗が丈夫だと田んぼでの生育も安心して見ていられます。私達のように農薬・除草剤を使わない栽培ですと、半分どころか8割くらいをイネの生育を決定すると言っても過言ではありません。少なくとも購入苗では無理ですので、自分で成苗に育てる技術が求められます。
先程、田車は株間の野草を除草できると書きましたが、言い換えると田車を押せるスペースを確保して田植えする必要があります。一般的は株間30cm取ります。機械で植えると一定の株間で植えられますが、私や友人のように手植えだとまっすぐに植える技術が必要です。これがなかなか難しいのですが、私や友人は手植えを楽しんでいます。田植えの時期にはぜひ、お越し下さい。貴重な体験になりますよ。
稲作だけではないですが、除草剤を使わないで栽培するには様々な技術を組み合わせて段取りよく作業をこなしていく必要があります。どこかの段階で間違ったことをすると、あとあと影響して野草を抑えられない状況になってしまいます。
経験ですね。

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冬季湛水

今回は、冬季湛水(冬水田んぼとも言います)のお話です。秋の収穫が終わったあとに冬の間、田んぼに水を張って来春の田植えまでそのままずっと水を張っておきます。つまり、田んぼが乾いているのは収穫期のみってことになります。これを行うことで、イトミミズなどの水生動物が活発に活動することで土が徐々にトロトロになり、表土にある野草の種がどんどん土の中に沈んでいきます。ヒエやコナギなどは種が土に埋もれると発芽できなくなりますので、有効な抑草対策です。
この方法で肝心なのは、水。冬の間に十分な量の水を田んぼに引き込むことができればいいのですが、例えば冬の間は農業用水を止められてしまうとやりたくてもできません。私の田んぼでは今年、雨や雪が少なく、利用している貯水池に水があまり溜まらないので水が足りません。昨年初めて稲作を行い、トラクターを持っていませんので、鍬でひたすら耕しました。そのおかげで、十分な水もあったので冬季湛水できました。田植え前に熊手で表土をかいて、発芽した野草を田植え直前に除草しました。
冬の間に田んぼに水を張っておくと、様々な生きものが棲みつきますので排泄物が養分となります。亡骸も有機物ですので養分となり、土が肥えていくのもこの方法のメリットです。数年はかかると思いますが、何も施肥しなくても土が肥えてくれば反等5俵は獲れるでしょう。肥料代がかからず、野草も抑えられれば、かなり高い利益率になります。除草剤を使わずに生き物も育みますので、自然に優しい取り組みです。この冬季湛水だけでは、私の田んぼでは完全に抑草することはできませんが、水を引き込める田んぼなら、ぜひとも行いたい、推奨する方法です。
ただ、根茎や地下茎で増殖する野草には、この方法は効きません。これらの野草を抑えるには冬の間に土を荒起こしして、根を乾燥させる必要があります。もしくは生えた野草の花芽を、花がさいているうちに(種を落とさないように)切り落とす方法が、有効な対策でしょう。

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ヒエ−深水管理

野草の生育を抑えるには、野草がどういう条件で発芽するかを知ることが肝心です。相手を知らなければ、打つ手が見えてこないですから。稲の生育に影響を与える野草にイネ科のヒエがあります。表土付近にあるヒエの種が発芽して葉が水面から出れば、葉から酸素を吸って根に送ることで急速に根が発達します。なのでヒエを抑えるには、発芽しても葉が水面から出ないように水深を深くすればよいのです。水深が深いと葉が水面に出ないので根が発達せず、葉が伸びたヒエは浮力がついて浮き上がってしまいます。
理屈では簡単そうですが、これがけっこう厄介なんです。水深を深くするには、畦を高く作らなければなりません。圃場整備されていて、田植えの時期に水量が十分にあれば問題ないのですが、畦が狭く低い田んぼではそうはいきません。除草剤を使う農家にとっては畦は重要ではなく、むしろ畦を小さくして1本でも多く植えることを優先されているようです。だから畦を高くして、水を深く張る必要がないのです。こういう田んぼを借りた場合は、年数をかけて徐々に畦を高く大きくしていきます。
ヒエは1回でも葉が水面からでてしまうと根を急速に発達させますから、常に水をたっぷりと張る必要がありますが、例えばモグラが畦に穴を開けて一晩で水深が下がり葉が出てしまえば、根が発達して、もう手で抜くしかありません。水深が下がった場合はモグラの穴を探しますが、田んぼが広いと見つけるのに一苦労です。
私の借りている棚田は畦が小さく、水を十分に張れたとしてもせいぜい5cm程度です。そこで、ヒエを確実に抑えるために、冬期湛水(冬水田んぼ)を行っています。秋に稲を収穫し終えたら、この時期に田んぼに水を入れて、次の田植えの時期まで水を張っておきます。つまり、田んぼに水がないのは収穫期だけということになります。この方法は、様々なメリットがあります。
次回は、冬期湛水についてアップします。

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